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クルーズ日記⑤「ミシシッピ・クイーン ミシシッピ・リバークルーズ5日間(後編)」 2009/9/30

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ミシシッピ・リバーを行く感激


▲バルコニー付きの客室からの眺め


▲イリノイ州側の家々。高床式だ

今回、私の船室には窓がないので、部屋にいると外の様子が全く分かりません。夜が明けたのかどうか外の明るさ、天気、川幅、どんなところを通っているのか…大型客船だとインサイドの船室でもテレビの画面で外の景色を見ることができますが、そうはいきません。

このため、部屋には夜寝るときくらいしか戻らず、デッキやサロンなどで過ごしました。

早朝には川面に霧が立ち込め遠くが見えません。ぼやっとした霧の向こう側から太陽が昇り、川岸の森や水面がオレンジ色に染めていきます。なんとも雄大な朝の光景に、船も自分も溶け込んでしまったような感じです。

船尾では赤い外輪がゆっくり回り、シャー、シャーとその水をかき回す音がリズミカルに響きます。

さすが大河を思わせるほど広大なミシシッピ・リバーでも、驚くほど川幅が狭いところを通ることもあり、川岸に高床の家が建っているのがよく見えます。それが平らな水面に鏡のように映り、絵はがきのようです。

家が高床式なのは、季節によってか水かさが増すことがあるのかな、などと想像力をかきたてられます。

鳥のさえずりが聞こえ、遠くで犬のほえる声が響きます。かつて映画で見たような光景になにか懐かしさと郷愁を覚え、胸がキュンとしました。
あっちにもこっちにもトム少年とベッキーが


▲ようこそ、ハンニバルへ!
トム・ソーヤーとベッキーに
扮してお出迎え

3日目の朝。船がハンニバルに着岸して下船すると、「ウェルカム!」と、絵本から出てきたようなかわいらしい少年と少女のカップルがあちこちに立っています。

男の子は白い丸襟がついたカラーシャツにサスペンダーと膝丈ズボン、バッグを斜め掛けにして細長い木の枝を手にしています。女の子は開拓時代を思わせるワンピース姿です。

「ワッツ ユア ネーム?」 と聞けば、どの少年も即座に「アイム トム・ソーヤー」と、答えます。

少女はトムのガールフレンドのベッキーというわけです。

『トム・ソーヤーの冒険』の舞台、ハンニバル

▲トム・ソーヤーがベッキー
と入ったマーク・トウェイン・
ケーブ

自然豊かな田舎町で仲間たちと共に、多くの少年が憧れ夢想する類の冒険を行う『トム・ソーヤーの冒険』とともに19世紀後半のアメリカ文学を代表する『ハックルベリー・フィン』。

いずれもマーク・トウェインの代表作です。彼が4歳から18歳まで過ごしたハンニバルは、どこへ行ってもマーク・トウェイン一色。

少年時代を過ごした家は、改築されてマーク・トウェイン・ボーイフッド博物館になっています。別のマーク・トウェイン博物館には彼ゆかりのグッズや作品、挿絵などが展示されていました。

ベッキーの家、郊外の洞窟マーク・トウェイン・ケーブ、高台に立つマーク・トウェイン像などを馬車や汽車の形をしたバスで巡り、どこへ行ってもマーク・トウェイン。みやげ物店も本やグッズなど、街じゅう彼ゆかりのものであふれていました。

世界中のディズニーリゾートに「蒸気船マーク・トウェイン号」が

▲「ミシシッピ・クイーン」船尾の外輪

マーク・トウェインは少年時代には蒸気船の乗員になるのが夢でした。実際、小説家になる前に、船の水先案内の仕事をしたようです。

そのせいか、米西のディズニーランド、オーランドのマジック・キングダム、東京ディズニーランド、ディズニーランド・パリなどには「蒸気船マーク・トウェイン号」という、古き良きアメリカの雰囲気に浸るアトラクションがあります。いずれもミシシッピ・リバーを模しているのでしょう。

ちなみに東京ディズニーランドのマークトウェイン号の船尾には「マークトウェイン 浦安」と書かれています。これは、アトラクションとはいえ客船の扱いになるため、船舶法により本籍(ホームポート)を登録し、船体に明記しなければならないためです。

デキシーランド・ジャズで踊り明かす


▲夜が更けるまでデキシーランド・ジャズ
で盛り上がる


▲バンドに合わせ、思い思いに
ダンス!ダンス!

ディナーのあとには4デッキ船尾のラウンジでバンドが始まりました。ピアノとベースとドラム。

船全体がデキシーランド・ジャズのリズムに包まれ、人々は陽気におしゃべりをし、踊ります。

バーカウンターの係員がビール瓶をピストルのようにクルクル回しはじめました。それを自分の口先でぱっと止め、マイクのように歌うまねをするパフォーマンスに乗船客も大笑い。

若い乗船客の女性がボーカルとしてバンドに加わるなど、和やかな雰囲気です。

船尾はガラス張りになっていて、真っ暗な中に真っ赤な外輪だけがほのかに明かりに浮かび上がり、のどかな雰囲気です。古き良きアメリカの歴史と大きさを実感したミシシッピ・リバー・クルーズでした。

 

※なお、ミシシッピ・リバー・クルーズを催行していたデルタ・クイーン・スティームボート・カンパニーは、残念ながら2008年末にクローズし、現在は催行していません。

 

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