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クルーズ日記④「コスタ・アレグラ 皆既日食を見るアジアクルーズ7日間」(前編) 2009/8/26

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7月22日、46年ぶりに日本近郊で皆既日食が見られるという話題に日本中が沸きかえっていました。なかでもトカラ列島の悪石島は日本で最も長く皆既日食が観察できると、早くから注目の的。また、条件のよい上海では「ゴルフ&皆既日食ツアー」なども企画されていました。その皆既日食をクルーズしながら船上から眺めようと、上海へ飛びました。


2010年の万博開催直前で建築ラッシュの上海


▲上海にはどんどん高層ビルが・・・


▲若い女性がトップレスで日光浴

イタリアのコスタ・クルーズ社はヨーロッパ最大のクルーズ会社。ジェノヴァを基点に現在14隻の船が世界の海を旅しています。

3年前にコスタ・アレグラという2万8千トンの船がアジアのクルーズに就航、上海から韓国の済州島、九州を巡っています。
来年にはこのコスタ・アレグラに代わり、5万トンのコスタ・ロマンチカがアジアに就航すると聞きました。

上海国際客船ターミナルは、二つの赤い球を上下に持つテレビ塔・東方明珠や高層ビル群がすぐ目の前。上海は建設ラッシュで高層ビルが次々に建っています。特に来年は上海万博が開催されるため、外灘(バンド)も川に沿って長い区間が工事中でした。

昨年できた日本資本の101階建てのビルが話題になっていましたが、来年にはさらに高いビルが完成するそうです。グランドハイアットホテルが入っている88階のビルは、以前はそびえていましたが、もはや他の高層ビルに隠れてしまうほどです。

午後4時、それらのビル群が夏の日に反射して輝いているうちに出港しました。通常とは逆周りで翌日午後2時に韓国の済州島に到着。3日目に福岡、4日目に長崎、5日目に鹿児島と、日本に寄港。6日目に洋上で日食を観察して上海へ戻るコースです。

済州島では黒豚の焼き肉を!

▲民俗村の水くみの様子

済州島では、2時間半くらいしか時間がありませんでしたが、日本語のわかるタクシーをチャーターし、民俗村へ行きました。石が多い済州島では稲作はできず、このため、わらではなく茅で葺いた屋根の家々が特徴です。

済州島には「太王四神記」、「オール・イン」、「宮廷女官チャングムの誓い」など韓流ドラマのロケ地やその記念館が多いことで知られていますが、今回は時間がありません。

名物はアワビ粥や海鮮、そして本場黒豚の焼き肉です。今回、運転手さんに黒豚焼き肉の有名店に連れて行ってもらいました。

1人前700~800円程度。それでも何種類かの付け合せの野菜やキムチ、スープがあり、サンチュやエゴマの葉がいくらでも出てくるのは、やはり日本と違います。焼き肉を韓国で食べる醍醐味といえるでしょう。

満腹満足で船に戻りました。

上海出発の九州旅行!?


▲博多港に入港したコスタ・アレグラ

寝ている間に移動、という国内旅行も不思議な体験です。昔の夜行列車のように、朝目覚めると福岡や長崎という具合。

日中に移動の時間が必要ないので、朝から夕方まで目いっぱい観光できます。しかも荷物は船室に広げたままで手ぶら同様、実に身軽なものです。

イタリアの船なので、日本の観光地でも、寄港地のエクスカーションは英語やイタリア語のガイドなのが不思議な感じです。

日本がどんな風に紹介されるのか、外国人が日本の何に関心を示すかが興味深く、1箇所くらい船のショア・エクスカーション(オプショナル・ツアー)に参加しようかと思いましたが、結局国内の寄港地での観光は、自分で動くことにしました。

阿修羅にご対面:福岡

▲大宰府名物 梅ヶ枝餅

炎天下の福岡では、思いがけず九州国立博物館で開催中だった「国宝阿修羅展」を見ることができました。

1時間ほど並びましたが、東京展には行けなかったので、ここで見られてラッキー。今回の阿修羅展の「売り」は、興福寺では見られない、阿修羅の後ろ姿までよく見られるというもので、じっくり鑑賞してきました。

その後太宰府を訪れ、街に戻って天神の日帰り温泉で汗を流しました。私の船室にはシャワーしかなかったため、これは我ながらよい思いつきで、ここちよかったです。

隠れキリシタンの里へ:長崎


▲外海の出津(しつ)教会

長崎は小雨模様でした。ここでは土曜・日曜・祝日しか運行していない定期観光バスの利用を狙っていました。

目的地は外海(そとめ)。長崎市街の北部約10kmの海沿いに位置し、隠れキリシタンの里として知られています。遠藤周作の「沈黙」の舞台になった黒崎カトリック教会や、日本に布教したド・ロ神父の記念館などがあります。

遠藤周作文学館では海を見つめながら静かにティータイムを取りました。クルーズで船上から眺める海とはまた違ったひと時でした。

特攻隊と武家屋敷の知覧:鹿児島

▲知覧の武家屋敷通り

鹿児島ではタクシーで、以前から気になっていた知覧を訪れました。

1945年春、1000人以上もの若者たちがここから飛び立って、沖縄の米軍に向かい、飛行機もろとも敵艦に体当たりし、海に消えていった特攻隊の基地です。もう少し早く終戦を迎えていれば、彼らは死ななくて済んだのに、と涙が出ました。

知覧は、武家屋敷が残ってもいることでも有名で、重要伝統建築群保存地区に選定されています。美しい石積みと生け垣が印象的でした。

外は晴れで汗びっしょり。それなのにタクシーの運転手さんは、「日食で来たの?明日は雨ですよ。気の毒だねえ」とぐさっ。お愛想でも「日食、見えればいいですね」くらい言ってくれればいいのに…。

それでも太陽を見るときに目を守る眼鏡などの「日食グッズ」は、鹿児島でもとっくに売り切れとのことでした。船上のショップでも、紙製の簡単な眼鏡の目の部分に色セロハンを貼っただけの「日食用眼鏡」を3ドルで売っていました。

(後編につづく)

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