たまけん 〜我ら!旅と“まち”の研究会〜
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ウチナーンチュと一時避難と沖縄というところ

2010/2/24

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徒然寫眞館「明日も旅日和」へようこそ。

 

4年間の那覇での単身赴任生活は、時にはツーリスト、時には生活者の眼差しで「沖縄」を見ることをゆるされました。

その中で、「沖縄」には、2種類のツーリストが存在するように思えます。

天恵の碧い海と青い空、琉球王朝をルーツとする独特の文化、そしてビーチに隣接する瀟洒なホテル・・・。どれもこれも日常からかけ離れた「南の島の楽園」を構成する「今日的な沖縄観光」の重要な要素です。これらを求めて「沖縄」へやってくる純粋な観光客が9割です。

残りの1割は俗に言う「沖縄病」患者と言われる人達です。
沖縄病とは、「いわゆる医学的疾病ではなく、沖縄県外の人が旅行などを機に,幾度も沖縄への旅行を繰り返すだけでなく、実際に移住までしてしまう程、沖縄の魔力に取り憑かれること」です。
かく言う私も沖縄病患者のひとりです。

 

沖縄の人たちには、人を思いやり助け合う「ゆいまーる」という精神が脈々と流れています。
「いちゃりば ちょーでー」という言葉もあります。「見ず知らずの人も、一度あったら、みんな兄弟」という意味です。

 

沖縄の日常的な人との出会いや交流の中で、マンション暮らしの単身赴任のおじさんと隣の部屋に住む幼い姉弟との交流なんて、日常茶飯事ですし、病院の待合室での見ず知らずのおばぁとの会話や床屋のおやじとのたわいもないやりとり、いつも行くパン屋のオバちゃんがメロンパンを一個おまけしてくれたり、近くの公園でやんちゃ坊主達を一喝するオジイの姿や公設市場の生活の匂い・・・今の日本が失ってしまったもの。それらを含めた沖縄のすべてに懐かしさを感じてしまう。

「沖縄病」患者の多くは、こんなフレンドリーでハートフルな「ウチナーンチュ」との素直な交流を目的に沖縄を訪れているのだろうと思います。

内地での日々の生活においては、黙々と仕事をしつつも、いつも沖縄にいる自分自身や知人、友人たちの顔を想像することで、高ストレスの息苦しさから逃れようとしているように思えます。
「沖縄」は、「沖縄病」患者にとって、精神バランスを保つための一時避難所なのかもしれません。

 

先日、「なぜ沖縄が好きなんですか」と聴かれました。
「碧い海、空、独特の文化、確かに素晴らしい。それより素晴らしいものが沖縄にはあります。ウチナーンチュです。『だからよー』とコトを曖昧にしても、『てーげー』でいい加減であっても、『かっこをつけない素直』なウチナーンチュが好きです。」

日常の殺伐感や不安感や窮屈感で「心にぽっかりと穴があいてしまった」と思ったら、また今年も「沖縄」へ一時避難することにします。
それが私にとっての「沖縄というところ」です。

 

(写真は、竹富島の西桟橋に佇み、行き交う船を見つめる。何もかもカラッポになる一瞬です。)

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