たまけん 〜我ら!旅と“まち”の研究会〜
トップ | 
聞かせて!あなたの声を
創ろう、新しいニッポンの魅力

朝帰りじゃないけれど…瓢亭の朝粥でほっくりうっとり<京都>

2009/6/3

line



▲風になびいてお客様を
お出迎え

南禅寺のそばを流れる川沿いを、てくてくと散歩。南禅寺は「絶景かな絶景かな」と、石川五右衛門がその眺望を称えたといわれる三門があることで有名です。

朝からきちんと打ち水がなされた道を進むと、ひょうたんの絵が描かれた旗が下がる、素朴な日本家屋が現れます。それが瓢亭(ひょうてい)の本館です。

瓢亭は幕末時代から続く老舗で、当初はお茶やお菓子を出す店だったようですが、その頃から半熟のゆで玉子を食べることができたと、文献に書かれているようです。

今は懐石料理の店として営業していますが、特に有名なのが朝粥です。

玄関で迎えてくれた和服の女性の導きで、朝露をまとった瑞々しい緑の庭を抜けて離れへ。庭にはいくつかの離れが点在していて、障子の扉をちょっと開けて、庭を愛でながら食事ができるのです。

静寂に満たされた和室。朝の光を受けて、美しく輝く緑。お茶を一口…。日常生活からは掛け離れた、「朝を楽しむ」という贅沢な行為です。ところで、なぜ朝にお粥なのでしょうか…


▲瓢箪を3つにばらして。
左下が瓢亭玉子

「昔の話ですが、祇園界隈で遊んでいた旦那さんが、朝帰りに芸者さんと立ち寄られた際に、お出ししたのがお粥なんです。それが起源となって朝粥が始まったんです」と、店の方が手際よく配膳しながら教えてくれました。

さて、朝ごはんの始まりです。まずは、瓢箪(ひょうたん)を立てたような型の器が運ばれてきました。

三段重ねのお鉢で、野菜のごま和え、蒸した白身魚、京野菜の炊き合わせなどのお惣菜が、きれいな盛り付けで。名物の瓢亭玉子も添えられています。

さらに鮎の塩焼きにお吸い物が運ばれ、そしてお待ちかねの白粥が登場です。

 


▲お粥をよそって、葛あんを
かけて

瓢亭玉子とは、とろりとした黄身と固くしっかりとした白身の、いわゆる半熟玉子なのですが、江戸時代の末から話題になり、瓢亭の名物になっていたとか。お醤油やお塩などをつけずに、コクのある玉子をじっくりと味わいます。

お粥はというと、ふっくらしていて、粘りが強い。口にいれると、とろとろとほぐれて、程よい温度で胃の中へと流れていきます。

お粥自体の味つけはないようですが、お米本来の甘さを堪能することができます。いくつものお惣菜を頂きながらなので、それくらいがちょうどよいのでしょうか。

さらに、京都ならではの淡口醤油で味付けされた葛あんをかけてお粥を頂くのが、瓢亭流。1杯目はおかずと、2杯目は葛あんで楽しめます。日ごろは朝食をあまり食べない方でも、瓢亭でならば2杯目は軽くいけてしまうでしょう。


▲瓢亭本館。素朴ながらも趣がある

瓢亭本館の「朝粥(6,000円)」、実は食べられるのは7月1日~8月31日の午前8時~午前10時のみ。事前の予約をおすすめします。

基本的には昼食、夕食ともに懐石料理を楽しむことができます。また、12月1日から3月31日は、うずらの肉が入った「うずらがゆ(12,100円)」がいただけます。

ちょっと離れたところに泊まっていても、京都へ訪れたなら、わざわざ食べに行きたい朝粥です。

ページトップへ